カテゴリーアーカイブ: 2015年

いつまでも振りし隻手や            秋の洋(うみ) (三島・龍澤寺 中川宋淵老大師)  秋の長雨と共に切々とした哀調が似合う季節となった。 自宅のお隣のご主人が、肝硬変で突然吐血して亡くなった。奥さんと子供2人を残して51歳の旅立ちである。22年前に倒れた私の義兄(姉の主人)とまったく同じ病状であった。 肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、実に忍耐強い臓器であるという。それだけに劇的に悪くなる…

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仏法僧鳴くべき月の            あかるさよ (三島・龍澤寺 中川宋淵老大師)    永い間、心に秘めていたサイパン島の慰霊祭に参加する機会を頂いた。偶然にも終戦後70年という記念すべき年にである。いや偶然ではなく必然であると思うべきかもしれない。 三島にある龍沢りゅうたく寺のいまは亡き、私の参禅の師匠、鈴木宗忠老大師が敗残兵として、3年間、山の中を逃げ回って、奇跡的に生き残った玉砕の島「…

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きさらぎやこの老いにして             老を見ず (三島・龍澤寺 中川宋淵老大師)    またひとり大切な友人との別れがあった。株式会社なだ万の前社長津田暁夫氏である。訃報は丁度、ハイアットリージェンシー東京の荒屋社長の三回忌が開かれているときであった。このところ大事な友達の別れが続き、年を取るという事は、「こういうことだ。」と自らを慰めているのである。  津田さんとの出会いは、私が東京…

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みの虫のところさだめし             花の中 (三島・龍澤寺 中川宋淵老大師)    我が家の庭に咲いていた梅の花がようやく散り始めた。この時期になるといつも思い出すのは、亡くなったフィリップ・アールデンテリオ( Philip・A・Theriault )さんのことである。 今年2月9日、日本でいうところの23回忌を終えた。衝撃的な交通事故で妹のジネットさんと一緒にシアトルで亡くなったとて…

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半眼に見すかす春の           まだ寒き (三島・龍澤寺 中川宋淵老大師) 明けましておめでとうございます。厳かな旦あさを穏やかな心で迎えました。ひとり静かに端坐して、去りし歳に感謝し、新しい年に心を立てる。人生77年、お蔭様で「喜寿の坂」を越えました。ひとえにお導き頂いた皆様のお蔭です。玄冬半なかばを過ぎ、老いを自覚する頃となりましたが、生かされていることに感謝し、日々の生活を疎かにする…

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